【アニメ】ポケモンXY 112話(XY&Z 19話)『マスタークラス開幕!火花散る乙女の激闘!!』感想

 以前からアニポケ感想記事は書いてみたくて、次回がトライポカロン完結なのでそっちの感想として記事にしようと思ってたのですが、まさかその前置きと思われたトライポカロン・マスタークラス前編がXYシリーズ通してのトップクラス回にまでなるなんて考えていなかったので我慢できずに書いてしまいました。大分セレナ寄りの視点になってしまったので総合的な感想っぽくはないんだけど。

 

 

 さて、前編たる今回はこれまでのセレナの旅を想起させる作劇が目立ちます。ライバルとの再会、母親・サキとの通話、キー獲得の記憶、旅先で出会った人やポケモン、サナへの感謝などなど。「無駄なことなんて一つもない」というサトシの言葉を胸に刻んだセレナの物語だからこそ、旅の経験の積み重ねがこのクライマックスで反復され、強調されるのですよね。
 サイホーンレースの練習が嫌で旅に出たのだと母親に明かすセレナですが、辛い思い出も無駄じゃない、今に繋がっている、だから旅の動機が逃避であっても「旅に出て本当に良かった」と肯定できる。彼女にとってサイホーンレースを象徴する枷のフレーズとなっていた「当たって砕けろ」のチャレンジ精神が、「不安でも前に進むんだ」と自らを鼓舞する言葉として、今の彼女自身の原動力となる。フォッコのために泥の中を走ったり、イーブイを捨て身で助けたりと、時折見せる身を呈してポケモンを守ろうとする行動は、「当たって砕けろ」精神が無意識のうちにセレナに根付いていた証左でしょう。サイホーンレースで身に染み込んだ思想が旅先で活かされる様子はまさしく「無駄なことなんて一つもない」。サトシの言葉を軸にしてセレナの内にあった観念が反転する、このロジックが美しい。


 そして、テールナーの枝に誓ったカロスクイーンの夢に「私たちの全てをぶつけるよ」と臨む。旅で経験してきたことは全てここで活かされる。これもまたサトシの言葉の反復ではありますが、セレナ一人の経験じゃない、ポケモンたちと培ってきた今までの全てが力になるのだという想いが感じられます。手を重ねて絆を再確認するこの描写はサトシVSシトロン戦後でも見られましたが、セレナとそのポケモンたちもまた、互いが互いを信じているわけです。セレナのライバルたちも、トレーナーとポケモンの行動がシンクロしている様子が描かれて、生半可な絆ではないのだとさりげなく演出してるあたりが流石ですよね。
 更に、マスタークラスはこれまでの経験を活かす集大成の場なのだという寓意が込められたかのような、今まで手に入れたプリンセスキーで最後の扉を自ら開くギミック。そしてそれに合わせて、セレナもこれまでのトライポカロンを振り返る。ここまで徹底して反復に反復を重ねてくる作劇にはただただ感服です。


 余談ですが、この回のカメラワークは結構凝ってるところが見受けられて、例えば直前で話題にした扉を鍵で開けるカットを取ってみても、鍵を開ける瞬間のカメラの位置は3回とも異なっています。これは同じようなカットをカメラ位置を動かすことで飽きない画作りをするというだけ(だと思うの)ですが、今回は特に遠近に人物を配置させて3次元的な奥行きを感じさせる手法が比較的頻繁に用いられます。最も顕著かつ鋭く演出されているのがセレナとミルフィで、「なんたって、1回戦の相手は……」「いきなり嫌なのと当たったわ」という対戦前の対等なライバル関係から、対戦後には勝者と敗者をクッキリ分かつが如く、手を振るセレナと奥で沈むミルフィを同カット内で焦点を移動させることで明瞭に映し出します。ネネの敗北時に「そういう世界なんだ」というセリフがありましたが、こういった演出もまた、頂点を目指す乙女たちの美しくも残酷な世界を1枚の画で表現しているわけです。
 そんな今回は、セレナとミルフィの直接対決を始めとしてマスタークラスの苛烈さが際立って描かれていて、敗者の悔しさが確かに伝わってきます。悔し涙を堪え、セレナの前で涙は見せまいと笑顔でセレナを励まそうとするミルフィが、勝者を称える自らの言葉で再度悔しさがこみ上げて、堪えたはずの涙が零れ落ちる。舞台上で泣いたネネも、笑ってセレナを応援する。そんな彼女らの悔しさを理解できたのは、セレナもまた夢へのチャレンジャーであり、どこまでも悔しい思いをかつて経験したからこそでしょう。各々の表情の絶妙さが素晴らしい一幕です。

 
 一方で、夢の座を奪うために競うパフォーマーたちは負の感情など微塵も感じられない演技を披露する。かつてエルに「笑顔がみんなをハッピーにする」のだと送られたセレナは勿論、誰しもが笑顔で楽しく、美しいパフォーマンスを繰り広げる。「楽しそう」だと思わせるその姿は観客投票制の競技において直接的に実力に繋がってくるからこそ、ここはやはりマスタークラスなんだと感じます。それだけの説得力が作画や演出に込められてる。
 そんな中で頭一つ抜きんでるセレナはやはりパフォーマンスの才能とやらが実際にあるのだろうと思います。これまでも、パフォーマーとしてのセレナの才覚は明言されないながらもさりげなく描写されてきました。初優勝時のトライポカロンは予選、フリー共に圧倒的なポイントを稼いでいたし、3つ目のプリンセスキー獲得に至っては地元人気で演技前から観客の注目を集めてるアメリアという、ある意味では不公平と言える壁すら演技一つでクリアして見せた。無論、センスだけでなく努力によるものもあるでしょうが、いずれにしろその実力は他を上回っている。ヤシオさんやエルに注目されてることからも何か光るものがあるのでしょうね。


 ヤシオさんの態度や言葉も気になる要素ですが、きっと後編で分かることになるので放送まで待つことにします。反復を積みに積んできた前編から、如何にして後編で放出してくれるのかが実に楽しみです。
 って何か次回予告やべえええええ! 観れば直ぐにアツさを感じるのでここでは語りませんが、映像で垣間見えたセレナの決勝パフォーマンスからして明らかに今回を上回ってるし当たって砕けろの精神で放映に臨みたいと思います。多分ワタクシ砕ける。
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TGAでポケモンやってます。主にダブルで、他にはローテーションやシングルなど。アニメの話もするかも。

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